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インタビュー

今、新しい人生を切り開く・浅越しのぶ3。「厳しい海外転戦もありましたが、最高のテニス人生でした!」。「引退を決意した理由」。

―今年で引退という考えは前々からあったのでしょうか?

そんなことないですよ。今年の初めはとにかく頑張るぞ! っていう気持ちだけで、引退はまったく考えていませんでした。

―引退を決意した理由は何ですか?

練習に練習を重ねても自分のイメージするプレーができず、結果が出ないという状況が今年の2月ぐらいからありました。何とかその葛藤を取り除こうと5月の全仏オープンまで頑張ってみたんですけど、その全仏オープンでも初戦で惨敗してしまって……。
この世界に入ってからずっと、“人に魅せるテニス”ができなければプロ失格だって思っていたので、自分が一番輝いた場所でもある思い出の全米オープンで引退しようと決意しました。辛い時期もありましたが、自分の中では最高のテニス人生だったと思います。

―練習しても結果が出せない原因はどこにあると感じましたか?

まだ体力的には大丈夫なんですが、精神的な面で気力が続かず、だんだん自分らしいプレーができなくなりました。私のテニスって、あまり綺麗なスタイルのテニスではないのですが、闘争心だけは常に持って戦っていたつもりです。やっぱり、闘争心がなくなってしまうと私のテニスはプロのレベルではなくなってしまう。闘争心がなくなったら現役を続けることはできない、と思っていました。

―精神面のケアを試みたことは?

とにかく自分自身を見つめなおす時間を作りました。一人で伊豆に行って合宿して、自分のプレーについてじっくり考えました。その成果もあってか、今年のウィンブルドンではロシアのキリレンコ選手に勝つことができました。でもあの試合はそれこそ背水の陣で臨んだ試合だったんです。勝利はしたものの、この試合の時の気持ちをこれからも持ち続けるのはちょっと難しいなと感じました。試合後に泣いてしまったのは自分の中で満足した部分があったんだと思います。

―引退に関してまわりの反応は?

コーチやトレーナーはビックリ! という感じですよね。最後の全米オープンでサポートしてもらった伊達(公子)さんからも「もったいない。もっとできる!」って言ってもらったんですけど、伊達さんは26歳で辞めているじゃないですか。だから全然説得力ないんですよ(笑)。うちのお母さんも「まだやれるのにぃ〜」ってずっと言っていました。基本的に私は元気キャラなので、まだ十分プレーできそうに見えるみたいですね(笑)。

―最も印象に残っている試合は?

やはり今までで一番心に残っているのは2004年の全米オープンでベスト8に残った試合です。あの大会の自分は今までで最も輝いていたんじゃないかと思います。プレーそのものが一番よかったと思うのは2003年のウィンブルドンでスロバキアのハンチコバ選手に勝った後の3回戦。イタリアの選手と戦った試合です。すべてがイメージ通りにいったし、今までで最高のプレーができたと思っています。

―逆に一番辛かったのはいつですか?

2000年に13大会連続で初戦敗退した時ですね。もうあの時はご飯もノドを通らなくなるし、体重は落ちるし、もう二度と勝てないんじゃないかと思いました。でも、あの時に辞めなくて本当によかったです。その後、立ち直ることができたことは自分にとって大きな自信になりました。

―尊敬している選手はいますか?

一番憧れていたのはモニカ・セレシュ選手ですね。あの気迫というか闘争心が好きでした。先日のヨネックスフェスティバルでダブルスを組んだんですけど緊張しましたね。格下の相手でも一生懸命全力でプレーするし、人間的にも凄く尊敬できる選手です。

―戦った中で一番強いと感じた選手は誰ですか?

ヴィーナス・ウィリアムス選手にはビックリしました。とにかく腕が長いんですよ! 絶対決まったというショットでもグーンと腕が伸びてきて拾ってしまう(笑)。あとダベンポート選手も強かったです。最初に物凄い集中力で相手のサービスをブレークするんですよ。その時の集中力には凄味すら感じましたね。最後の全米オープンは1回戦に勝てば次の相手がダベンポートだったので、何とかやりたかったんですけど残念でした。

―テニスをやっていてよかったと思うのはどんな時ですか?

気持ちよくラケットの真ん中で会心のショットを打った時とか、長いラリーの末にエースが決まった瞬間はもう最高の気分です。あと試合に勝った時は辛かったことも全部忘れてしまうくらいです。テニスをやっていて本当によかったと感じる瞬間ですね。

―現役引退を表明してから約2ヵ月経ちましたが現役への未練は?

まったくありません(笑)。プロに入った時はウィンブルドンのセンターコートでプレーをすることが夢でしたが、その目標も実現しました。世界ランキングのトップ20に入りたいと思いながらも、結局は21位が最高であと一歩及びませんでしたが、自分では満足しています。

―最後にファンの方々へのメッセージをお願いします

長い間応援していただき、本当にありがとうございました。これからも自分の経験を生かしてテニスの素晴らしさをたくさんの人に伝えていきたいと思っています。私にはまだこれからテニス人生よりもずっと長い人生が待っています。今まで以上に自分が輝けるよう頑張っていきますので、また応援してください!

 


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