Home > インタビュー > 浅越しのぶ「29歳、進化の途中」前編

インタビュー

「陽気な遅咲きのヒロイン・浅越しのぶ」前編 「私、階段を一歩一歩上っていくタイプなんです」

−そこでやめたいとは思わなかったのですか?

やめたいと思ったことは何度もあります!でもなんとか踏みとどまりました。(笑)毎日の練習は楽しかったし、ラケットの真ん中にボールが当たったときの感触も好きだったし。そのうち練習試合にも勝つようになって、テニスが楽しくなってきたんです。友達にとても恵まれていたのも大きいですね。先輩の怖さも「自分のことを思って叱ってくれてるんだな」と思えたし。それに、名門だけあってテニス環境がすごく良かった。コートなどの設備はもちろんですが、テニス部には大学生までいますから、レベルの高い選手と一緒に練習できますしね。

−そして中学2年生で県の代表になりましたね。

兵庫県ってレベルが高かったんですよ。沢松奈生子さんがいた凪川学園と、私の園田学園が双璧で、例えば団体戦でも両校が当たって勝ったほうがそのまま地区大会で優勝する、みたいな。そんな兵庫県の代表で全国大会に個人戦で出るってかなりハイレベルなことですよね。でも、全国大会に行ったら1回戦で負けるんですよ(笑)。もう全然ダメ。全国レベルは違うなーと痛感しました。

−それでも、始めて2年足らずで全国大会出場。人より多く練習したとか?

そういう訳ではないけれど、私、一球入魂タイプなんです。適当に流すことができず、しんどくても頑張っちゃう。疲れて休みたくなってもテニスだけは一生懸命できる。ボールを打つのがすごく楽しかったんですよね。

−プロになりたいと思ったのはいつ頃ですか?

高校でインターハイに優勝したとき、プロを意識しました。といっても、当時は“インターハイに優勝したらプロになる”っていうのがお約束という風潮があって、私もそうなんだろうな、と漠然と思っただけ。確かに、いろんなことを両立するのではなく、テニス一本でやって行きたいというのもありましたけどね。ところが、先生やコーチに相談すると「まだ早い。もう少し待て」と。私、プロのテニスがどういうものか何も知らなかったんです。海外試合に出る方法も知らなければ、たとえ海外遠征しても、やみくもに出て勝てるものではない。1年を通して転戦する体力も必要。具体的なプランがしっかりなければプロとしてやっていけないことに気づいてなかった。実際、あまり深く考えずにプロになり、つぶれてしまう選手もいっぱいいます。私もそうでしたが、特に最近の若い選手は、プロテニスの世界がとても華やかだと思っている人が多いけれど、全然そんなんじゃない。ホントに地道な世界なんです。


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